のこ屋根日記5 銭湯

一宮 煙突は染め屋さん寝袋生活でも風呂には入りたい。
歩いて数分のところに「有馬温泉」と書かれた煙突があるけれども、すでに廃業している。
起に煙突はたくさんあるが、それは染屋さんのもの。煙突は織物の町の象徴であって、残念なことに銭湯を意味しないのだ。

今回の展示に全面協力してくれる名工大の男子学生がネットで銭湯情報を調べてくれた。
そして銭湯通いに欠かせないツールの自転車は、ながらく地域雑誌「谷根千」の読者の中村さんに貸してもらった。
実は中村さんの住む稲沢市が、起の隣町だということも今回初めて知ったのだ。いやぁ、愛知県は奥が深く、不思議なご縁に満ちている。

2日目の晩、一宮市北今字最鳥の「ゆうゆうのやかた」を目指す。
起にコンビニはない。いちばん近いローソンまで走り、まず一宮市の地図を買う。住所で目星をつける。南東におよそ3000メートル。しかし、目印になるものがなく、道を聞きながら向かうのだが、このあたりの人はおしなべてすこぶる親切。
歩いている人を見つけるのは大変だが、ひとたび道を尋ねれば、まったく知らなくとも、なんとか教えようとしてくれる。ともかくも、田んぼに囲まれた住宅街のお宮や曲がったところに、忽然と現れた建物が「ゆうゆうのやかた」だった。
「本日有料です」と札がかけてあるので、無料の日もあるのだろう。一般400円。
1階がレストランとカラオケルーム。2階が浴場で、薬湯、打たせ湯、サウナもある。お得でした。

翌々日の今晩は、名鉄一宮駅(JR尾張一宮駅の隣だが)のすぐ近くの「龍美湯」。
小さな銭湯で、400円。貸しタオルは10円。
下足入れは網型で愛らしく、湯船は5つに仕切られ、そのなかの2つは中央湯船で、浅い湯船と深い湯船になっている。とってもかわいい。
22時仕舞い湯で、カラスの行水よろしくさっと上がって、一宮駅よりバスで起は湊屋に帰ってきたのでした。

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