『産業考古学』158号(2021年3月 産業遺産学会)に「短信:『谷中リボン・渡辺四郎コレクション』のその後」が掲載されました

『産業考古学』158号(2021年3月 産業遺産学会)に「短信:『谷中リボン・渡辺四郎コレクション』のその後」が掲載されました。

『産業考古学』第158号(2021年3月、産業遺産学会)
『産業考古学』第158号(2021年3月、産業遺産学会)

2021年3月27日「谷中のリボン。渡辺四郎コレクション」が東京家政大学博物館(東京都板橋区)に収蔵されました

2021年3月27日「谷中のリボン。渡辺四郎コレクション」が東京家政大学博物館(東京都板橋区)に収蔵されました。

東京家政大学博物館 https://www.tokyo-kasei.ac.jp/academics/museum/

明治27年に東京・谷中に設立した岩橋リボン製織所に技師として入社した渡辺四郎(のちに千代田リボン製織所と名を変えて社長に就任)が蒐集したリボンの見本帳、および繊維・製織関連資料は、谷中にあったリボン工場の解体後、谷中のこ屋根会が保存・管理していました。

この度、2年間の研究者による分析調査(新井正道、元群馬県繊維工業試験場主任研究員)を終え、東京家政大学博物館に移送され無事に収蔵しました。

覚書

埼玉県行田の「イサミコーポレーション足袋工場」

行田は日本一の足袋の生産を誇る町です。行田足袋の始まりは約300年前、最盛期は昭和初期から昭和30年代、全国の約80%の足袋は行田で作っていたとのこと。

町を歩くと足袋を保管する「足袋蔵」があちこちに残っていました。いまも10軒ほどが足袋をつくっているそうです。このノコギリ屋根はその一つ、「イサミコーポレーション足袋工場」。この工場ではいまも「イサミ足袋」をつくる、現役のノコギリ屋根でした。生産を拡大した昭和初期の建築と思われます。

(撮影:やまさきのりこ)
(撮影:やまさきのりこ)
(撮影:やまさきのりこ)
(撮影:やまさきのりこ)

株式会社イサミコーポレーション http://www.isamicorp.co.jp/

フランス、サン・テチエンヌのリボン織機

長崎総合科学大学で建築学を教える山田由香里さんから、 フランスのサン・テチエンヌ 博物館を訪れたときの写真とレポートが届きました!


2012年にフランスのサン・テチエンヌに行ったときに産業芸術博物館でリボン織機の展示を見ました。そのときに撮った展示の写真です。

サン・テチエンヌは、水力と石炭に恵まれた町で、それを動力にしてリボンと猟銃と自転車の一大産地でした。16世紀からフランス王侯貴族のファッションや文化を支えていた町です。

19世紀にリボンと猟銃が斜陽になると、自転車を産業として興し、ツール・ド・フランスに代表される高速自転車を作ります。

マニュフランス社というヨーロッパ初のカタログ通販会社が1887年に設立された場所でもあります。目玉商品は、猟銃、自転車、ミシン、タイプライターでした。他にあらゆる生活用品を扱っていました。ヨーロッパ内だけでなく、世界中に飛び出したフランス人宣教師たちの生活も支えていました。

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森まゆみ 「のこぎり屋根の工場で見つかった文明開化のリボン」 (『考える人』2017年冬号)

2017年2月発売『考える人』59号(新潮社刊)に森まゆみさんの執筆する「『のこぎり屋根』の工場で見つかった文明開化のリボン」が掲載された。新潮社から許可をいただき、全文をご紹介します。

特別企画 「のこぎり屋根」の工場で見つかった文明開化のリボン 文:森まゆみ 撮影: 菅野健児 協力:山﨑範子、谷中のこ屋根会

東京下谷・本郷に広大な土地を持っていた実業家・九代目渡辺治右衛門の四男、渡辺四郎が、明治の終わり頃から大正にかけて谷中で営んでいた「千代田リボン製織」。その工場の解体にあたり、四郎が欧米で集めてきた華麗なリボンと、東洋一をめざした国産リボンの「見本帳」が見つかった。明治大正期の日本の欧化の歩みを示す貴重な資料でもある谷中のリボンと渡辺四郎について、谷中・根津・千駄木の歴史と今を書き続けてきた森まゆみさんが解説する。