産業遺産学会より認定書が東京家政大学博物館に贈られました。2021年5月21日

今年3月、東京家政大学博物館(板橋区)に収蔵された「谷中リボン・渡辺四郎コレクション」に対して、「産業遺産学会  推薦産業遺産  113号」の認定を受けました。

以下が全文です。

Japan Industrial Archaeology Society
産業遺産学会 推薦産業遺産 第113号

・谷中リボン・渡辺四郎コレクション・東京家政大学博物館殿

初の国産リボンにかかわった渡辺四郎が収集した技術図書・リボン見本帳は最大規模の個人コレクションと推定されることを高く評価し産業遺産学会推薦産業遺産に認定する

2021年5月10日 産業遺産学会

会長 天野武弘

谷中のこ屋根会は、谷中ののこぎり屋根およびリボン資料についての調査を、産業遺産学会(旧産業考古学会)に論文にして提出するところから始めました。

有志5人(権上かおる、菊池京子、真鍋雅信、吉田喜一、山﨑範子)による論文「欧化主義の中心地、東京の明治のリボン産業」は『産業考古学 第153号』(2016年3月)に掲載されました。

「谷中リボン・渡辺四郎コレクション」が多くの方の目に触れ、東京家政大学博物館に収蔵されるに至った端緒は、生まれて初めての論文執筆という難行から始まったように思います。

産業遺産学会 http://sangyo-koukogaku.net/index.html

推薦産業遺産とは http://sangyo-koukogaku.net/suisen.html

論文「欧化主義の中心地、東京の明治のリボン産業」

東京家政大学より「感謝状」をいただきました。 2021年7月26日

今年3月、東京家政大学博物館(板橋区)に収蔵された「谷中リボン・渡辺四郎コレクション」の寄贈者として、「谷中のこ屋根会」が渡辺学園・東京家政大学・東京家政大学博物館より感謝状をいただきました。

感謝状贈呈式(右から理事長、学長、博物館長)
感謝状贈呈式(右から理事長、学長、博物館長)

以下が全文です。


感謝状
谷中のこ屋根会 殿

 貴会は、谷中のこぎり屋根工場跡地より発見されたリボンの見本帳および書籍について、その保存や調査に惜しみなく力を注ぎ、このたび東京家政大学博物館に寄贈くださいました。
これら「谷中リボン・渡辺四郎コレクション」は、貴会の普及活動の甲斐あって、新聞紙上を飾り、産業遺産学会推薦産業遺産に認定される等、広く資料的価値が認められることとなりました。
今後、これらの資料を大切に保存し、活用を図りながら教育研究の資として永く世に伝えられるよう努めていく所存です。
ここに、その並々ならぬご尽力とご厚意に対し、深く感謝の意を表します。

令和3年7月26日
学校法人渡辺学園 理事長 菅谷定彦
東京家政大学 学長 井上俊哉
東京家政大学博物館 館長 手嶋尚人


国産リボン発祥の地(千代田リボン製織所跡)プレート

東京家政大学は和洋裁縫伝習所として1881年、建学の祖である渡邉辰五郎先生の自宅(本郷湯島)に開設された、140年の歴史ある学校です。「東京裁縫女学校」と改称されたのが1892年、その2年後の1894年に、今回の「谷中リボン・渡辺四郎コレクション」の見つかった谷中のリボン工場である千代田リボン製織の前身、「岩橋リボン製織所」が設立しました。
時間を超えて所縁ある博物館に収蔵され、されに研究され、近い将来、博物館で谷中のリボンたちに会える日を心待ちにしたいと思います。
東京家政大学:https://www.tokyo-kasei.ac.jp/

岡山県倉敷の「丸五」

大正大学で発行している『地域人』。72号に掲載されている地下足袋メーカー「丸五」ののこぎり屋根がすごいんです。

撮影:やまさきのりこ


創業は1919年(大正8)。岡山駅から快速マリンライナーに乗って15分で茶屋町駅に着きます。駅前に見える広大なのこぎり屋根。少し前までは敷地全体がのこぎり屋根がだったそうですが、創業100年を機に一部建て替え、それでもこの景色!

撮影:やまさきのりこ


もともと座敷足袋をつくっていた藤木伊太郎さんが、足袋に人力車の古タイヤを加工して縫い付けたのが地下足袋のルーツといわれています。それはそれは使い勝手がよくて、野良仕事に大工仕事、海女や飛脚の足を守り、大地を踏みしめる感覚が重宝されました。

撮影:やまさきのりこ


それから100年。足袋を履くことが少なくなった私たちは、もともと人間が持っていた足の機能をどんどん手放した。外反母趾や土踏まずがなくなるようなことにもなってきた。その足の機能復活を掲げて足袋型シューズをメイドイン倉敷でつくっているのが「丸五」です。

撮影:やまさきのりこ


数年前のNHK大河ドラマ『いだてん』で金栗四三役の六代目中村勘九郎の履いた播磨屋足袋のマラソンシューズは、この丸五本社工場で復刻されたものです。

撮影:やまさきのりこ

ぜひ雑誌も読んでください! 
地域人72号https://chiikijin.chikouken.org/chiikijin/%e3%80%8c%e5%9c%b0%e5%9f%9f%e4%ba%ba%e3%80%8d%e7%ac%ac72%e5%8f%b7

撮影:加藤晋平

株式会社丸五 https://www.marugo.ne.jp/

撮影:やまさきのりこ

渡辺四郎コレクションのことが東京新聞に紹介されました!

渡辺四郎コレクションのことが東京新聞に紹介されました!

東京新聞 超絶技巧!フランスのリボン 明治から時を超え、谷中・のこぎり屋根から発見 産業遺産に 2021年7月28日 07時06分 https://www.tokyo-np.co.jp/article/119856


2013年9月、谷中ののこぎり屋根が解体された。その翌年10月、工場の裏にあった小さな事務所の建物が解体されるときに、重厚な書棚の中に長らく置かれていた資料を「必要なら取りにおいで」という鈴木さんからの電話をいただき、譲り受けた。その日は小雨でした。台車に乗せた資料をまずは道灌山下にあった古書ほうろうの店内に避難させてもらった。

工場の部材を引き取ってから8年、資料を譲られてから7年。「谷中のこ屋根会」なるものを結成して、たくさんの方にカンパをいただいて。のこ屋根クッキーつくったり、のこ屋根ポーチやのこ屋根マグネットなんかもつくって販売。面白かったね。

調査もしました。 そして、谷中のギャラリーTEN、HAGISO、千駄木の古書ほうろう、島薗家住宅などで、保存した部材や資料を町の人に見てもらってきました。

そしてこの3月、無事に東京家政大学博物館に収蔵されました。併せて、産業遺産学会から「推薦産業遺産」の認定もいただいた。 

相変わらず見事な見本帳。整理の美しいのは渡辺四郎の手によるものだろうか。資料はこうした見本帳のほかにも技術、機械、歴史、経済、デザインとおよそ1900年前後の織物文献が100点ある。皮の背表紙をつけて造本したものにも「watanabe」のサインがあった。

簡単なコレクションの内容(工場資料)はこのサイトでも紹介しています。これから専門家の手で整理されるに違いない。

『産業考古学』158号(2021年3月 産業遺産学会)に「短信:『谷中リボン・渡辺四郎コレクション』のその後」が掲載されました

『産業考古学』158号(2021年3月 産業遺産学会)に「短信:『谷中リボン・渡辺四郎コレクション』のその後」が掲載されました。

『産業考古学』第158号(2021年3月、産業遺産学会)
『産業考古学』第158号(2021年3月、産業遺産学会)