町の歴史を活用しよう ~谷中ののこぎり屋根の活用に向けて(2)

町の歴史を活用しよう ―明治ののこぎり屋根の骨組みの一部を保存しています

 谷中・根津・千駄木は、東京でも豊かな歴史性を持つ地域です。上野台地と本郷台地に挟まれた低地では、旧谷田川(藍染川)に沿って南北に、川を利用しながら人々の暮らしや交通が発達しました。その象徴でもあるのこぎり屋根の工場が、この場所に建っていました。明治43年に織物のリボン工場として誕生したといわれております。

 100年を超える建物はひと仕事を終え解体されましたが、持ち主の方や近隣の皆さん、のこぎり屋根のある風景を愛する方々のご協力を得て、建物の構造のわかる骨組みの一部を貰い受け、保存することになりました。

 さいわい2008年に実測調査が行われ、地域の文化財・文化資料としての調査・保存・活用が、地元より要望されています。界隈の聞き取り調査も半世紀前より地道になされております。

 今後は、旧谷田川(藍染川)沿いの歴史性を活かした商店や町並みの原資料として、この町での活用を目指します。先人の残した遺産の存在が、魅力ある町のデザインともなるでしょう。谷中ののこぎり屋根の保存部材の活用にむけて、ご支援ご協力をお願いいたします。

2013年10月1日

問い合わせ先:
谷中のこ屋根会 文京区千駄木5-17-3(谷根千工房内) 
TEL&FAX03-3822-7623
URL:https://nokoyane.com/
e-mail: nokoyane@yanesen.com

【実測調査・聞き取り(敬称略・順不同)】
東京藝術大学大学院美術研究科保存修復建造物研究室、もば建築文化研究所、たいとう歴史都市研究会、たてもの応援団、台東区教育委員会、吉田敬子、谷根千工房

【のこぎり屋根保存活用協力(敬称略・順不同、2013/10/05現在)】
旭プロセス製版、鈴木晴雄、澁澤倉庫、谷中地区町会連合会、たてもの応援団、坪井建築事務所、吉田敬子、真鍋雅信、菅完治、伊郷吉信、山村咲子、梅田太一、椎原晶子、川原温、野池幸三、山田しげる、守本善徳、池本英子、西川直子、多児貞子、篠崎美和子、三堀久子、仰木ひろみ、川原理子、森まゆみ、山﨑範子 …etc匿名の皆様

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